令和2年6月下旬号
(このウエブマガジンは職場内の多くのサポーターによって、細く長くをモットーに不定期、月に1~2回を目安に制作されています)
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●夜明けのアヒル(編集部)
思い切り羽を伸ばして、仲間と一緒に焼き鳥にビールをたらふく食べて、愚痴や噂話を大声で話しながら日頃の鬱憤を晴らし、リセットして日々の日常に向かってゆく。是非そんな風にしたいのですが、コロナ後はそう簡単にはいきません。心の内の「自粛」が、手綱を緩めてくれないのです。
翼をもがれたような萎縮感に囚われたまま、それでも日常は大きな変化もなく過ぎてゆきます。はや数ヶ月がそんな風に過ぎてしまいました。姿を消していた学生たちが街の中にあふれてくると、「そうだ、こんな風な風景だったんだ」と、群れの雑然とした雰囲気を懐かしく眺めるのです。
数ヶ月の間、やけに街中は静かで人通りは少なく、2ヶ月前日光を車で通過した時には、平日の真昼間だというのにひとっこ一人いない風景。まるで映画の撮影でもしているのではないかと思うような、異様な雰囲気を感じてしまいました。ゴーストタウン。それもその時だけの特殊な風景だったと思えれば、去来した不安は遠からず去ってゆくことでしょう。
ーーーーCONTENTSーーーー
1、ポタリン部レポート
「コロナ状況のロードは自主トレ」
ピレサロ重
2、スイーツは私にお任せ
「コロナ鬱を追い払うには」
CoComama
3、私も一言
「去る者日々に疎し」
春夏秋冬
4、私も一言
「外食産業の衰退」
カーマイン神山
5、私も一言
「編集という作業」
さんざクロス
6、BOOKレビュー
「ユヴァル・ノア・ハラリ、全5冊読破!」
北斗七星
7、シネマフリーク
「イエスタディ」
シネマ二郎
8、時計仕掛けのりんご
「10万円の使い道」
鈴木義延
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1、ポタリン部レポート
「コロナ状況のロードは自主トレ」
ピレサロ重
スポーツのトレーニングは継続することが何より大切だと言われてますので、私も最近では自宅の周辺できつい坂を見つけると、そこをトレーニングのいい練習場所としてアプローチしています。その成果もあってか、先日ポタリン部の数名と70キロ程を走ったのですが、いい感触を持ちました。ある程度のハイスピードが、かなり長い間維持できたのには自分でも驚きました。
それにしてもビアンキ熊さんの走りっぷりには脱帽です。鉄砲玉、暴走族、集団からあっという間に抜け出すと、次のカーブではもう後ろ姿も見ることができません。遥か彼方を疾走する姿を観れるのはほんの最初だけ、あの調子で160キロも走り続けていたのですから信じられない体力です。
私は地味に鹿沼富士をベースに、その急坂を登ったり降りたりを日々繰り返して、筋力スタミナの補強に励んでいます。どなたでも敷居を低く門を開いておりますので、ぜひ一緒に走りましょう!秋にはコロナ自粛も多少緩和されるでしょうから。追伸ですが、部員所有のバイクも、ますます充実度を上げて備えております。先が楽しみです。
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2、スイーツは私にお任せ
「コロナ鬱を追い払うには」
CoComama
コロナうつを追い払うには、最近女性の間ではやっているというのが「占い」。持っているお札の番号から今日を占うとかいろいろな「占い」が流行っているのです。
辻褄を合わせた頭のいい論理的なものの考えが行き詰まってしまったら、ここは少し肩の力を抜いて「当たるも八卦」という偶然性とツキの巡り合わせに行動の指針を委ねてみようかと思ってしまいます。
なんだか考えるほどに行き止まりになってしまうものですからお手上げ状態、それを打破するために色々模索しているのです。あなたの今日の運勢はどうですか、どこかに突破口は見つからないものでしょうか。占ってみます!
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3、私も一言
「去る者日々に疎し」
春夏秋冬
人というものは切ないものですねと感じるのは、目の前から去っていった人たちのことを、自分もまたすぐに忘れ始めてしまう事です。「去る者日々に疎し」と言いますが、そんな自分の心の入れ物の小ささに驚くのです。
誰でもそうだと思いますが、人はそうたくさんの人たちのことを常に考えたり、記憶にとどめていることはできません。自分にとってとても大切だと思える親兄弟、昔からの友人など、多く見積もっても総数は数十人を超えることはないのではないでしょうか。
人生は限られた時間、人と懇意になるためには共に過ごす時間が一定量以上なくてはなりません。時に短い日々でも強い印象を残してゆく方もいたように思いますが、心の奥に刻み込まれるためには違いが経験を共有する時間の長さが重要だと思うのです。
そんな時間を持つことのできる関係は物理的に限られてしまいます。そしてその限りある自分の心の枠は早々埋まってしまい、以後そうたやすくその中に入ってくることは、少ないのです。
「去る者日々に疎し」、時折ふと「あの人もいた」「この人もいたのに」と、思い出しながら、次第に思い出すこともなくなってゆくそれぞれの存在に寂しさを感じてしまうのです。
現在旅行もせず物思いにふけっていると、思い出すいろいろな顔がありながら、その後の関わりがなくなってもう何年経つのだろうと考えてしまうのでした。
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4、私も一言
「外食産業の衰退」
カーマイン神山
家庭料理はもちろん日々の創意工夫、自分の食べたいものを戸惑うことなく集めて、日々楽しみが尽きないのですけど、外食も必要です。ただ手間を省きたいという理由ばかりではなく、自分の暮らしのパートナーとちょっと違った場所での、いつもと違った時間、いつになく話がはずんだりするものです。
そうやってファミレスとか様々な外食産業が発展し、バリエーションが広がって、豊かな選択肢の前で楽しみが増えていたわけですけど、ここにきての「自粛要請」は、そんな外へ向かう楽しみ方の気持ちをずいぶん抑制してしまいました。
外食することに多少の後ろめたさがあるんです。それは不要不急の外出ということになるのでしょうか、どことなくどこに行っても人通りは少なく、お店の利用者も減っているように思います。半年前は常に順番待ちだったようなお店も閑散としてて、なんだか大丈夫なのでしょうかと心配してしまいます。
新聞ではそんな外食産業の静かな衰退が報じられ、盤石と思われていた企業が経営不振に陥っていると言うのです。一体食の世界に何が起こっているのでしょう。気持ちが晴れません。
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5、私も一言
「編集という作業」
さんざクロス
どこへも出かけない日々が続いて、私の場合、それがそれなりに定着してきてしまっているのです。家で過ごす時間がほとんど。仕事と家の往復です。
そんな中で始めた気分転換に、動画の編集ソフト「ファイナルカット」というのがあるんです。今ではスマホがビデオカメラ代わり、改めて映像撮り用のカメラなど必要ないのです。スマホさえあれば現在ではなんでもできてしまうのです。
そうはいってもスマホやソフトの機能の、ほんの一部しか使えていないのですけど、これをデスクトップパソコンでいじり始めると休日などあっという間に過ぎてしまいます。それ以外何にもしないで机に座りっぱなし。なんだかスカッとしない1日になってしまうのですが、家にいろという通達ですから、私の場合それに準じた生活に切り替えたのです。
編集というのはやり始めると面白くて時を忘れてしまいます。Aという素材とBという素材をつなげてCのサンプル音源を重ねてみる、というような遊びを特に目的もなく行なっているのですが、うまくできたら家族に見せて「ダサい!、つまらない!」と酷評されながらもめげずに作り続けています。
とにかく集中力が必要なので、くたびれて肩がこるしお尻は痛くなるし、健康にはよくないでしょう。コーヒーばかり飲んでるし、ついスナックに手が行くし。
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6、BOOKレビュー
「ユヴァル・ノア・ハラリ、全5冊読破!」
北斗七星
「サピエンス全史上下巻」「ホモデウス上下巻」「21Lessons」。
世界的なベストセラーと大いに宣伝されている著者の著作、5冊。1年かけて2回通して読むことができました。とりあえず1度目は流し読みして、なんとなく全体を通じて作者が言いたいことを掴み、もう一度今度はじっくり吟味し味わいながらの1年でした。著者の視点はとてもニュートラなんだと感じさせるのです。
何を考えるにせよ、まずこの作者が広げた世界観をベースにすると、思考がやけに風通しがいいのです。もつれて放置されていた様々な糸がいきなりあちこちとつながる快感。「なるほど!そう考えればいいのか!」と膝を叩くような瞬間が何度もあり、いやでもドライブ感が増してきたのです。
とても刺激的なアイデアに満ちていて、それら一つ一つにもっとしつこく迫りたい、しかし人生の限られた時間、それ以外のもっと全体を見通したい、そして何がどこにどう関わっているのかの構造を探索する興奮!とにかく面白かったです。頭の中のモヤモヤがかなりの部分解消して安眠できそう。得難い著作でした、感謝感謝。
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7、シネマフリーク
「イエスタディ」
シネマ二郎
ある地球規模の大停電が2019年のいつかに起き、そしてその停電が復旧したのち、世界は微妙に変化してしまいました。停電事故の原因は不明なのですが、それを境に世界は別な次元へ微妙にスリップしてしまったのです。その世界には「ビートルズ」が存在していない世界、そして「コカコーラ」や「ハリーポッター」も。というパラレルワールド、もうひとつの歴史フィクション。
売れないアマチュアミュージシャンである一人の男性は、その変化に影響されることなく過去と現在がつながっているのですが、新しい世界では誰もビートルズを知らない、それゆえビートルズが生み出した楽曲も誰も知らない、というファンタジーです。
彼は必死に記憶にあるビートルズナンバーを思い出しながら人前で歌ってみると、これがとにかく大受け!モーツアルトの再来と言われ、その奏でる楽曲の素晴らしさに世界が驚嘆してゆくのです。
無論本人は自分の才能が評価されたわけではなく、ビートルズの作品を模倣しているだけ、その後ろめたさが終始ついて回るのですが、とにかく誰もその曲を知らないわけですから、模倣といっても「では誰の?」という当事者はどこにもいないわけで、彼はかろうじてその虚名に甘んじて曲の魅力を世界にアピールするのです。
、、、、、、が。そんなパラレルワールドに迷い込んでしまったのは彼だけではなかったのです、というあたりが落ち?
多少「なんだかな~」という展開なのですが、サプライズ。物語の終盤に特別な人が画面に登場するのです。それは銃弾に倒れることなく余生を送っているジョンレノン!これには驚きました。そして思わず泣きたくなってしまったのです。よかった、生きていたのですね!主人公ならずともハグしたくなりました。もしその場にいたら。
そして、改めて、私たち世界が失ったものの大きさを、じんわりと思い知ったのです。ジョンレノンという存在。そしてこの世界に彼がいてくれて「ありがとう」と言いたくなりました。以外に、後味のいい、ハートウォームな作品でした。もう一度見てもいいかなと思うような。
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8、時計仕掛けのりんご
「10万円の使い道」
鈴木義延
いきなり10万円上げますから自由に使ってくださいと、本当にそんな金額を手渡されると、かなり疑心暗鬼に「本当のこと!」と叫んでしまいます。あまりそんな金額を自由に使える状況など、まず今までありませんでしたから。少ないお小遣いをコツコツ貯めて、ようやく自分の欲しいものを手に入れるという人生では、10万円は大金なのです。
家のあちこちは傷んでいるし、冷暖房設備、水回りなど言い出せばキリがありません。車の修理だ税金だ医療費だと考えれば、10万円などあっという間に消えてゆくとはよくわかっているのです。毎月のことですから。
しかしこの10万円は一つの目的を持って手渡されたもの。コロナショックで経済定に困窮している業界、業種。それは観光業や外食産業など他種にわたり、当分立ち上がれないほどのダメージを受けている分野に、惜しげもなく各人を通じて投じてゆこうという目的のお金です。ここはちまちま計算して使う種類のものではないのです、と、言い聞かせて。
恐る恐る「うなぎの特上!」とはいきませんでしたが、とりあえずうな重を。そしてためらっていたカメラの修理を、そして、、、、。あっという間にもう半分になってしまいました。スポーツギヤも手に入れて、ウェアも新調して、とにかく今までためらっていた「無駄遣い」と言われるものを断固することにしました。
でもどこか後ろめたいんです。「もったいない精神」が住みついている庶民ですから、どうも「散財」というのがブレーキがかかってジレンマを感じているのです。決して不快ではない種類のジレンマです。こんなストレスなら毎月味わってみたいです。
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(編集部より)
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